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Nikon Zf × NX MobileAir × Tailscale:AndroidからSynology NASへのFTP転送・完全設定ガイド
今回も旅の話ではありません。
カメラで撮影した画像を、その場でNASへ自動転送・バックアップしたい。そんなニーズに最適なのが、ニコンのアプリケーション「NX MobileAir」です。
「NX MobileAir」はもともとテザー撮影なども可能なプロ向け機能搭載の有料アプリでしたが、2026年7月より完全無料化されました。
有線接続(USBケーブル)を利用することで、無線よりも高速かつ安定した転送が可能になります。特にAndroidタブレットやスマホをお使いの方向けに、ハマりやすいポイントを含めて解説します。
また、無料で利用可能なVPNアプリケーション「Tailscale」と併用することで、外出先から自宅のNASにセキュアな環境でアップロードが可能となります。
1. 事前準備
- カメラ: Nikon Zf など対応機種
- Android端末: NX MobileAirアプリ、Tailscaleアプリをインストール済みであること
- USBケーブル: 両端Type-Cのデータ転送対応ケーブル(Zf付属品でなくても市販のケーブルで可、ただしLightning端子のiPhoneやiPadは後述の専用ケーブル必要)
- Synology NAS(FTPサーバー): FTPサーバー機能を利用可能な状態にし、保存先のフォルダー(例:
DCIM)をあらかじめ作成しておくこと。Tailscaleもインストールしておく。
2. カメラ側の最重要設定
Android端末と正しく通信するために、カメラ側のメニューを以下の通り設定してください。
- USB接続モードの切り替え
- [ネットワークメニュー]>[USB]を[MTP/PTP]に設定します。
- ※ここが[iPhone]になっているとAndroidでは一切認識されません。
- 接続維持のためのタイマー設定
- 転送中に電源が切れるのを防ぐため、[カスタムメニュー]>c3[パワーオフ時間]>[半押しタイマー]を[30分]や[制限なし]など長めに設定します。
3. Android端末の設定(Xiaomi等の場合)
Android OS(特にXiaomi系端末)は省電力機能が強力なため、アプリの通信が遮断されないよう設定変更が必要です。
- バッテリー制限の解除
- [設定]>[アプリ]>[アプリを管理]>[NX MobileAir]>[バッテリーセーバー]を「制限なし」に設定します。
- USB用途の選択
- ケーブル接続時、通知欄のUSB設定で「PTP」または「ファイル転送」を明示的に選択してください。
4. NX MobileAirアプリの設定
- アルバム作成: アプリ内で取り込み先となる「アルバム」を作成します。FTPサーバーとなるNASへ自動アップロードする場合でも、一度Android端末に写真データは保存されるため、カメラで使用しているSDカードに合わせた空き容量(64GBのカードならAndroidに64GB以上の空き)が必要です。
- FTPサーバー登録: NASのIPアドレス(ローカルIPではなく、TailscaleでNASに割り当てられたIPアドレス)、ログイン名、パスワードを入力します。
- 送信先フォルダの書式:
DCIMやDCIM/Nikonのように、NAS側に実在するパスを正確に入力します。 - ※アプリ側でフォルダを新規作成する機能はないため、必ず事前にNAS側で作っておく必要があります。
- 送信先フォルダの書式:
- 自動送信: 設定で「自動インポート」と「FTPへの自動送信」を有効にします。
5. 「写真」と「動画」の挙動の違い
写真と動画では、転送のルールが異なります。動画4GB以内の制限は4K動画にとっては厳しいため、動画はNASに「USB Cooy」をインストールし、NASに直接SDカードリーダーを挿して転送しています。USB Cooyでは動画ファイルのみの転送とする設定が可能です。
| 項目 | 写真 | 動画 |
|---|---|---|
| 自動転送 | 対応(撮影後すぐ送信可能) | 非対応(自動では送れません) |
| 手動転送の手順 | アプリのアルバムから選択 | 再生画面のiメニューから指定 |
| ファイル制限 | なし | 4GBを超えるファイルは送信不可 |
動画をNASに送る手順:
カメラの再生画面で送りたい動画を表示 > iボタン > [送信指定(スマートフォン)](またはFTP)を選択します。
6. トラブルシューティング
- ファイルが1枚も表示されない:
- USBケーブルを抜き差しし、Android側で「アクセス許可」のポップアップが出たら「許可」を押してください。
- カメラ上面の表示パネルに「PC」マークが出ているか確認してください。出ていない場合はケーブルの接触不良か非対応ケーブルの可能性があります。
- 通信失敗エラーが出る:
- バックグラウンドで動いている他のアプリをすべて終了させてください。
- カメラの「半押しタイマー」が切れていないか確認してください。
- NAS側のフォルダ構成:
- カメラ内のフォルダ(100NCZ_F等)をそのまま再現する機能はありません。指定した1つのフォルダに全画像が並ぶ状態になります。ファイル名の重複に注意が必要です。
7. iPhone、iPadによる転送をおすすめしない理由
- Lightning端子の場合、専用ケーブルが必要
- iPhone、iPadのうちLightning端子を利用のものについては、専用ケーブル「Anker 514」が必要です。こちらは充電ができない通信専用ケーブルで、現在入手困難ですが、2026年7月現在、ニコンダイレクトのみで購入可能です。
- 「Snap Bridge」やBluetoothなど無線接続と同時利用不可
- iPhone、iPadの場合、カメラ側の設定で、USB接続を「iPhone」に切り替える必要があります。これを切り替えると、「Snap Bridge」やBluetoothなどの無線接続と同時利用不可となります(Androidの場合は同時利用が可能と、差があります)。
- 動画転送に非対応との情報
- iPhone、iPadでは動画転送に非対応との情報があります。
- https://x.com/skprancham/status/1633047873435877376
運用アドバイス:
現場での安定性を重視するなら、アプリ専用のスマホ、タブレットを用意することがニコンからも推奨されています。